以前、モービル社 CM で「-40℃の世界では、バナナで釘が打てます」というのがありました。 バナナに釘が刺さって終了。当然ですね。 ■-40℃ 低温冷却機でメタノールをこの温度まで冷やし、これにバナナをドブ漬け。 打てる!打てるぞ!古文書にあった通りだ! ドライアイス-アセトンバスでドブ漬け。 打ち込むことはできるんですが、バナナの表面の皮が硬く凍っていて、打ち込むときにバナナのスウィートスポットで打たないと皮がバリッと剥がれてしまいます。 真芯をえぐりこむように打つべし! 液体窒素にジャボンと放り込んで、熱平衡に達するまでしばらく放置。 打音は完全な金属音。讃岐石みたいな。 これで釘を打ち込もうとしましたが、簡単に砕けてしまい、話になりません。 低温ではバナナの組織のセルロースが脆化してしまうようです。 バナナ温度が高すぎると、バナナ中の水分が固化せず、ハンマーとしての役割を果たしません。凝固点降下を考えると -10℃より低くないと使い物になりません。
その温度ではバラの花も砕けてしまうが、モービルのオイルはその温度でもサラサラだよー、という内容でしたね。
で、バナナで釘を打つ試みはその後、多くの研究者によって追試されている(大学の一日体験入学でよく出てきます)のですが、なかなかうまく行った話を聞きません。
そこで今回、釘を打つのにもっとも適したバナナ温度を調査検討してみました。
■室温
この温度ではバナナはカチカチになります。
■-78℃
カチカチというよりキンキン。叩くと金属音がします。
バナナの表皮も、釘で相当傷つきます。
-196℃
すでに冷やしている時点でバナナにヒビが入り、二つに裂けてしまいました。
これは、もはやバナナではない。
硬いけど脆いのです。
逆に、温度が低すぎると、冷却にともなう収縮によって生じた応力を緩和することができずにバナナが裂けたりとか、組織の低温脆化により釘を打つのに必要な靭性が確保できないなどの問題が発生します。
従って、バナナで釘を打つのに最も適した温度は、バナナ中の水分を凝固させるのに必要充分な -20℃から -40℃程度のようです。
結論:
・バナナで釘を打つ必要に迫られた場合、M社のCM通りに -40℃で打つべし。これ以下に下げてもダメ。過ぎたるは及ばざるが如し。
・バナナは釘を打つのには向いていない道具である。
・完全に凍らせたバナナは解凍してもネチョネチョしてちっともおいしくない orz
さて、この実験結果を類推すると、豆腐の角に頭をぶつけて自殺するのに適当な豆腐温度がわかりますね。
しかし決して豆腐を-40℃に冷却して頭蓋をぶつけて自殺してはいけません。
— バナナで釘を打つのに最適な温度 - 結晶美術館 (via petapeta)
(tokyo98amethystから)